こんにちは。二本松養蜂場の西原です。
分蜂(ぶんぽう)は、ミツバチにとって自然な繁殖行動です。
しかし養蜂をしていると、「自然だから仕方ない」で済ませられない場面も多くなります。
今回は、分蜂対策の5大原則を整理してみました。
1.産卵・貯蜜スペースを確保する
これは分蜂対策の基本です。
女王蜂が産卵できる場所、
働き蜂が蜜や花粉を貯められる場所、
この2つが不足すると、群は一気に窮屈になります。
蜂から見れば
「もう満室です」
という状態です。
巣箱の中が
・産卵でびっしり
・貯蜜でカチカチ
この状態が続くと、分蜂のスイッチは入りやすくなります。
巣枠を足す、継箱をする、巣脾を入れ替える。
どれも地味ですが、最も効果が高い対策です。
2.女王蜂を若く保つ
女王蜂は、若いほどフェロモンが強いとされています。
フェロモンがしっかり出ている群では、
働き蜂は「まだいける」と判断します。
逆に女王が老化すると、
群の結束力は少しずつ弱まります。
人間で言えば、
「最近、社長の声が小さいな」
みたいな状態です。
計画的な女王更新は、
分蜂予防だけでなく、群の安定にもつながります。
3.雄バチを管理する
雄バチが増えすぎると、
それは群が「余裕があります」と宣言している状態です。
雄バチは採蜜もしません。
巣作りもしません。
食べる専門です。
1匹あたりの消費量は、
働き蜂の1.5〜2倍とも言われています。
雄バチが多い=蜜が余っている
=分蜂しても大丈夫
と蜂が判断しやすくなります。
雄バチを完全にゼロにする必要はありません。
「増えすぎていないか」を見るだけでも意味があります。
4.分蜂しにくいハチを育てる
これはすぐに結果が出る話ではありません。
しかし長く養蜂を続けている人ほど、
この点を重視しています。
・大人しい
・逃げにくい
・分蜂しにくい
こうした性質は、少しずつですが受け継がれます。
短距離走ではなく、
マラソンの視点で見る原則です。
分蜂は血統が影響しているところも大きいので分蜂しにくいミツバチを育てることも重要です
5.王台のチェックを怠らない
王台は、蜂からの明確なメッセージ
「そろそろ準備しています」
もしくは
「緊急事態です」
王台を見つけたとき、
壊すか残すかより先に考えるべきことがあります。
それは、
なぜ作られたのかです。
自然王台なのか。
変成王台なのか。
ここを見誤ると、
分蜂も、女王喪失も、どちらも起こり得ます。
まとめ
分蜂は、突然起きるように見えて、
実は前兆だらけです。
巣箱の中では、
蜂たちが何度も会議をしています。
「狭いよね」
「女王、ちょっと弱くない?」
「そろそろ出る?」
その声を無視し続けた結果が、分蜂になります
起きる理由を先に知っておきたいと思っています。
分蜂対策とは、
蜂を縛ることではありません。
蜂の考えを、
少しだけ先回りして理解することだと感じています。

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