こんにちは。二本松養蜂場の西原です。
ハチミツは採れると嬉しいものです。
ただ、採りすぎた瞬間から群は静かに崩れ始めるというのは
よく聞く話です。
今回は採蜜しすぎたらどうなるのか。纏めてみました。
ミツバチにとってハチミツは命の備蓄
ハチミツは人間の収入源ですが、
ミツバチにとっては生き延びるためのエネルギーそのもの
巣に貯められたハチミツは、
- 雨で飛べない日
- 花が切れた時期
- 夜間や低温時
- 子育てが集中する時期
こういった場面で使われます。
つまり、余剰ではなく「必要分」が常に含まれています。
採蜜しすぎると最初に起きる変化
採蜜しすぎた群は、
ある日突然ダメになるわけではありません。
最初に出るのは、目に見えにくい変化です。
- 働きバチの動きが鈍くなる
- 巣板の育児圏が縮む
- 外勤蜂の帰巣率が下がる
この段階では、
まだ大丈夫そうと感じてしまいます。
女王蜂の産卵が落ちる
蜜が不足すると、
群全体が省エネモードに入ります。
その結果、
- 女王蜂の産卵数が減る
- 巣房が空いたままになる
- 次世代の働きバチが育たない
ここで一気に回復が難しくなります。
なぜなら、蜂は急には増えないからです。
働きバチの寿命が縮む
蜜が足りない群では、
働きバチ1匹あたりの負担が増えます。
- 採餌距離が伸びる
- 無理な飛行が増える
- 栄養不足のまま働く
結果として、
外勤蜂が早く死に、戻らなくなります。
この時点で群勢は目に見えて落ちます。
夏以降、一気に崩れるケース
怖いのはここからです。
春〜初夏に採りすぎた群は、
夏の高温期を越えられないことが多いです。
- 暑さに耐える体力がない
- 冷却のための水運びが追いつかない
- 内勤蜂が足りず巣内温度が乱れる
結果、群が一気に弱り、
最悪の場合は消滅します。
冬を越せなくなる
仮に秋まで生き残っても、
採蜜しすぎた群は越冬が難しくなります。
- 蜜の絶対量が足りない
- 冬蜂が十分に育っていない
- 巣箱内での発熱が弱い
冬は取り返しがつきません。
餌を足しても、
群そのものの体力が足りないのです。
採蜜量が多い=良い群ではない
ここで大事な話をします。
一時的に大量に採れた群ほど、
翌年消える確率が高い。
これは珍しくありません。
「去年は1群40kg採れた」
その群が翌春いない、という話は
養蜂をやっていれば必ず聞きます。
採らない勇気が養蜂を長くする
経験上、
採蜜を我慢できる養蜂家ほど、翌年も採れます。
- 群を優先する
- 花の切れ目では採らない
- 巣内を必ず確認する
この積み重ねが、
結果的に安定した採蜜につながります。
まとめ
採蜜しすぎた群は、
すぐには壊れません。
でも、
静かに弱り、
季節の変わり目で一気に崩れます。
ハチミツは奪うものではなく、
分けてもらうもの。
そう考えた方が、
養蜂事業は長く続くと思いました。

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