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分蜂させないための工夫

こんにちは。二本松養蜂場の西原です。

養蜂を始めると、遅かれ早かれ必ず耳にする言葉があります。
分蜂(ぶんぽう)です。

私自身はまだ越冬しか経験していません。
春の分蜂シーズンを現場で制御した体験は、これから積んでいく段階です。

それでも、分蜂について学べば学ぶほど強く感じることがあります。
分蜂は偶然やトラブルではなく、ミツバチ側の明確な判断によって起きる現象だということです。


目次

分蜂の仕組みと起きる時期

分蜂とは、一つの群が二つに分かれる行動です。
旧王が働き蜂のおよそ40〜60%を引き連れ、巣箱を離れます。

日本では主に
4月中旬〜6月上旬が分蜂のピーク
特に、気温が20℃前後で安定し、蜜源が一気に増える年は発生しやすい傾向があります。

これは異常行動ではありません。
ミツバチにとっては群を増やすための正常な繁殖行動です。


なぜ分蜂は起きるのか?

主な理由は大きく分けて3つあります。

1つ目は、群が大きくなりすぎたこと。
2つ目は、巣箱が手狭になったこと。
3つ目は、女王蜂のフェロモンが群全体に行き渡らなくなったことです。

働き蜂が3万匹前後になると、
女王のフェロモンは群の隅々まで届きにくくなると言われています。

その結果、蜂たちは
「この巣箱では限界だ」
と判断します。

人間の都合は一切関係ありません。
蜂は蜂の論理で決断しているのです。


なぜ分蜂を管理する必要があるのか?

「自然に任せればいいのでは」と思う方も多いと思います。
私自身も、最初はそう感じました。

しかし養蜂として見ると、現実は少し違います。

・分蜂が起きると、群の蜂数はほぼ半減
・採蜜量は年によって3〜5割減少
・逃げた分蜂群は回収できない可能性が高い

さらに、日本の環境では
分蜂群の生存率は50%以下とも言われています。

つまり、
放置=自然=必ずしも蜂に優しいとは限らないという事。

だからこそ、
分蜂を「止める」のではなく、管理するという考え方が重要になります。


王台とは何か?

分蜂の兆候として必ず話題に出るのが王台(おうだい)です。

王台は、新しい女王蜂を育てるための特別な部屋で、
形はピーナッツの殻によく似ています。

1群の中に
5個、10個、多い場合は20個以上作られることもあります。


自然王台と変成王台の違い

ここは特に混乱しやすいポイント

自然王台

分蜂を目的として作られる
・巣枠の下部に多く見られる
・複数同時に作られるのが特徴

群が好調で、余裕がある状態のサインです。

変成王台

・女王蜂の老化や事故が原因
・巣枠の中央付近に作られる
・数は少なく、1〜3個程度が一般的

こちらは緊急対応であり、分蜂とは意味が異なります。

王台を見つけたときは、
壊すかどうかを考える前に、
なぜ作られたのかを考えることが重要です。


分蜂させないための工夫

経験者が実践している対策は、どれも地道なもの

・巣箱の拡張を早めに行う
・春だけ内検頻度を上げる(7〜10日に1回
・巣脾の入れ替えで空間を確保する
・計画的に群分けを行う

派手な技術はありません。
地味で手間のかかる作業の積み重ねです。


まとめ

分蜂は失敗ではありません。
しかし、管理しないことが正解とも限りません。

蜂の都合と、人の管理。
その間に立つのが養蜂家の役割だと考えています。

私はまだ、分蜂を制御した経験はありません。
だからこそ、先人の記録を読み、数字を見て、想像します。

そしてこれから迎える春、
蜂たちがどんな判断を下すのか。
それをきちんと見届けたいと思っています。

知識だけでは対応できないとも思っているので、

それをリアルに皆様にお届けしたいと思っています

分蜂は、
蜂が「ここまで来た」と教えてくれるサイン

恐れるものではなく、
向き合うものだと感じています。

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